自立を支える親心

学校の行事も中高の卒業式を最後に今年度のPTA活動が終わろうとしています。

2015年度の締めくくり集大成でもあるPTAの活動報告集が発刊されました。

巻頭にて寄稿させていただきましたので、この場でも紹介させていただきます。

画像




「自立を支える親心」


   (あいさつ文 省略)

 自分が中高生の頃、テスト勉強をしようと気合を入れて部屋を片付けているとき、「テスト前なのに勉強は大丈夫なの」、「宿題したの?」等と親から言われて一度にやる気が失速してしまった経験は保護者のみなさんにもあるのではないでしょうか。

自分が大人になったら絶対にこんなことを子どもには言わないと決めていたはずなのに、ずっとスマホを手にしているわが子を見て心配のあまり、かつて自分が言われてやる気をなくした言葉を自分の子どもに投げかけていることはないでしょうか。

子どもたちの周りには、「もう○○はしたの?」や「そんなことでは置いて行かれるよ」という言葉があふれ、できて当たり前、周りと比べてすごいという、他人より飛び抜けている事や目に見える素晴らしいことしか褒められなくなってきます。ここが良くないとか、ここがまだできていないということが気になって更にできていないところが気になるという悪循環に陥りがちです。
 
 子どもを心配するあまり、ついついやる気、自主性、自立の芽を摘んでしまうような言動が多いことに反省しきりです。いつも小言を言ってばかりいると次第に親のいう事に耳を貸さなくなり、大切な事や良いことを言っても子どもの心に届きにくくなります。いざ、褒めようとするとそれは案外難しいことだったりするのですが、自分が褒めて欲しい言葉を連想することが秘訣だそうです。

 子どもが小さく幼いころ、特に生まれたばかりの乳児は食べることや排泄など生きることすべてを親に依存し、全面的な母親の愛情を受けて成長します。やがて食事ができ、歩き、服が自分で着られるようになって全面的な援助が必要だった時期から一歩ずつ手がかからない時期になっていきます。子どもの発達段階に応じて親の役割はヘルプ(援助)から少しずつサポート(見守り支える事)へと変わります。

 特に思春期の大きな発達課題としてアイデンティティの確立(自我同一性の確立)があり、「自分とは一体何なのか。」、「自分のやりたい事、進むべき道は何なのか。」この年代の若者は誰しも繰り返し自問自答し、葛藤しながら青年期の心理的発達段階の課題を乗り越えて行きます。この自我を形成する過程では、一時的ではあるものの心理的に混乱や動揺を多少なりとも体験します。そして、自分の進むべき進路、就職や結婚など人生の展望についても考えるようになります。

 中高生を持つ者として子どもの自立を如何にサポートし支えていくか、なかなか難しいことかもしれません。
子育ての経験の中でヘルプすることに慣れていると、子どもが考え判断する前に解決策を押し付けてしまい、親は助けたつもりでも気づかずに自立の芽を摘んでしまっていることも多いと感じています。
 
 私が心がけていることは、一日のうちで5分でも10分でもいいので対話をするようにしています。対等な立場で気持ちをニュートラルにして今日あった出来事や気になっている事を傾聴して、思ったことや感想を子どもへの押し付けにならないように話すといった具合です。

 わが家では、夜の家族がそろう時間にティータイムを設けるようにしています。多くは短時間の雑談に終わる事も多いのですが、時には進路のことや将来の事で話しこむこともあります。普段は楽しいティータイムに過ぎないけれど、ちょっと気にかかることがあるときに切り出せる場が家庭の中にあることが大切だと思っています。

 親は読んで字の如く普段は木の上に立って見ているけれど、子どもが不安や疑問、「これでいいのか」と迷って振り向いた時、後ろから優しく笑顔でうなずいて背中を押してあげられるような存在でありたいと思うのです。

"自立を支える親心" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント

QRコード