第38回 精神科看護学術集会

2013年5月31日から6月2日の3日間、宮城県仙台市で日精看の全国大会が開催されました。
職場でおこなった看護研究が大阪大会で推薦され、晴れの舞台で発表させていただくことになりました。
すこし、旅行気分で仙台まで行ってきました。

画像


ドタバタ、珍道中で全国大会会場になんとかたどり着きました。

会場は仙台国際センターです。

画像


立派な会場です。

画像


初日は、基調講演、式典、総会が開催され、二日目から研究発表、セミナー、シンポジウムなどが開催されました。

国際センター内の8会場で様々なイベントや発表が同時進行で大変充実した内容でした。

研究発表の件数は、56群、272題にも上りました。

画像


わたしも第28群(家族支援②) 134席「退院に向けた患者・家族の意識調査」として発表を行ってきました。

 長期入院患者が多くを占める現状で家族・保護者の高齢化と世代交代が進む中、患者の受け入れがますます難しくなる傾向がうかがえます。

画像


入院している患者さん、一人ひとりと真っ直ぐ真摯に向き合う大切さを再認識しました。



2013.6.15 報告書の一部を記録しておきます。

表題の研究発表大会に参加および口頭発表を行いましたので報告いたします。

学術集会の概要・内容

5月31日(第一日目)
 13:00 基調講演
テーマ:精神科看護の本質と社会的意義
 14:30 式典
 15:30 行政報告・総会

 協会会長の基調講演では、学術集会の主題でもある「精神科看護の本質と社会的意義」をテーマにお話がありました。

講演の冒頭に精神科で働くスタッフ、笑顔いっぱいの患者の姿がビデオに映し出され、社会的な受け入れや制度が十分とは言えない状況で頑張っている患者とスタッフの姿が印象的でした。

「変えられない一日に寄り添い、変わっていく一日に寄り添う 365」という副題がついています。どうにもならない現状があるけれども、地道な取り組みによって少しずつ患者の状況も良い方向へ動いてゆく、そんな思いが伝わってくるビデオでした。 
その後の会長の講演では、改訂が進む精神保健福祉法(保護者の同意を必要としない医療保護入院など)のメリットとそれに伴う弊害への懸念について話がありました。

これからの精神科医療は、地域と連携を取りながら、入院中から患者の社会復帰を意識した質の高い看護が提供できる環境づくりを目指しているということでした。精神科で働く看護師は一人ひとりの患者と真っ直ぐと向き合い接していくことが重要である。基本的で当たり前のことであるが、その大切さを再認識できた良い講演でした。


6月1日~6月2日(第2日目、第3日目)

 2日目午前中から56群272席にも及ぶ研究発表が国際センター内8会場で並行して発表されました。
研究発表以外にもシンポジウム、教育セミナー、映画上映、セミナーが企画開催され、ロビーなどでもカフェ、くじ引き、展示などがあり規模の大きさと多様な技術・成果の発表の場となりました。
 当院から昨秋大阪府支部で推薦を頂いた次の2題の研究発表があり、そのうちの一つを発表させていただきました。
 第16群(禁煙)77席「敷地内禁煙におけるストレス緩和への試み」
 第28群(家族支援②)134席「退院に向けた患者・家族の意識調査」


学術集会参加の感想

 今回、全国大会に初めて参加をさせていただきました。全国から集まった272題もの研究論文もさることながら、テーマの多様性とその論文の質の高さに大いに刺激を受けました。
特に看護学科のある大学・大学院の調査研究ではカイ2乗分布を用いた数理的な統計処理から有意差を結論づけるなど理論的根拠に基づいた解析がなされていました。専門的な看護教育に加えて高い知識を備えた看護師が増えてきていることが伺えます。研究のテーマごとに群が設定されていますが、退院支援、多飲水、行動制限というおなじみの課題から看護者のストレスという看護師を対象としたものまで56群にも及ぶテーマ設定がなされていました。

 それに加え、基調講演をはじめとした、様々な企画やセミナー、展示、カフェに至るまでさながらお祭りのような賑やかさに驚きました。興味深い講演や研究も色々とありましたが、国際センター内の8会場同時進行なのですべてを見ることができないのが残念でした。

 大会二日目、午前中に災害関連企画の講演があったので聞いてきました。東北大震災で津波の大きな被害を出した沿岸部では全国から多くのボランティアが集まり様々な支援を受けました。2年を過ぎた今も人々の心の傷は癒えず現在も地道な支援が続いているようすがわかりました。ボランティアの人々の数は震災直後に比べ激減し、残された地域の人々で活動をおこなう大変さが伝わってきました。

 示説発表ブースでは、主にレクレーションに関するテーマが主体でした。特に私が興味深いと感じた示説発表は、「スポーツチャンバラにおけるストレス発散の効果」で非常にユニークなストレスの緩和手段であると感心しました。

 口頭発表では16群(禁煙)で当院の発表もあり、質問も会場から出て好評だったと思います。他の禁煙テーマの発表で感じたことは、またまだ敷地内喫煙をしている施設が多いということです。長年、習慣づいてきた喫煙をなくすことの難しさを感じました。
 
 大会3日目の最終日、第28群(家族支援②)134席にて「退院に向けた患者・家族の意識調査」として論文発表を行いました。
 わずか6分間の発表で論文の内容を簡潔にわかり易く発表することはなかなか大変な事だと感じました。会場からも現在取り組んでいることは何か、などいくつかの質問もいただき、その中で研究の動機や思いも合わせて視聴の皆さんにお伝えすることができて良かったと思います。

 発表の打ち合わせで座長の長崎県天〇病院・認定看護師のA氏とお話をする機会がありました。

長期入院の患者を抱える課題はどこの病院も同じとの認識を持ちました。A氏のいる天〇病院では、長期入院の患者自身が生まれ育ったところへ看護師同伴で外出する取り組みをしているそうです。

 ある患者が自分の生まれ育った家まで来たが、家人が店を経営していて、「精神科の患者がいることが分かると客足が遠のくので来ないで欲しい」と家の人から言われたそうです。

 その患者は、「自分の居た懐かしい家が見れてとても嬉しかった」と付き添いの看護師に語ったそうです。
このエピソードを聞いたとき、精神病患者が置かれている言葉にできないような、そして根深い社会的に厳しい現状を再認識するとともに、自分の家に近づけなくても「見れて良かった…」という患者のなんと謙虚で純粋なことか。
 私達、精神科で働くスタッフは、このような状況にある患者一人ひとりと暖かい心で真摯に向き合い護ってゆかなければならないと思いを新たにすることができました。

 長いようで短かった3日間、自分の研究発表のみならず、他の研究発表や企画セミナーに参加できたことは良い経験になりました。

有意義な大会に参加させていただき感謝致します。
ありがとうございました。


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

QRコード