医療安全 危険予知トレーニング 研修報告

大阪府看護協会の研修に先日、行ってきました。

今回の研修は、医療安全「危険予知トレーニング」という研修でした。

職場でも安全委員をやっているので・・・。

ちよっと、お堅い内容ですが、興味のある方はご一読ください。

研修報告書丸写し状態で記事アップです。

講師は、大阪警察病院 医療安全管理センターの志摩久美子先生でした。
研修のおもな内容・スケジュールは、次の通りです。
1.医療安全とKYT
2.医療危険予知トレーニングの概論
3.指差し呼称、イラストや動画によるKYT、グループワーク


1. 医療安全管理とKYT・KYK
KYK: 危険予知活動      K(キケン)Y(ヨチ)K(カツドウ)
  臨床において実際におこなう危険予知活動のこと
KYT: 危険予知トレーニング  K(キケン)Y(ヨチ)T(トレーニング)
  KYKをより高いレベルにするために、危険予知についておこなう訓練のこと


医療安全管理とは、日頃の危険予知トレーニングと未然に危険を回避する組織的な取り組みとシステムの構築によって成り立っている。その必要性を過去の大きな医療事故を例に挙げて単なる個人のミスということではなく、未然にヒューマンエラーの起こりにくい配置や確認方法、ひいてはミスが起こっても誤ったことが実施されるまでのどこかの時点で防止できるようなシステム構築(仕組づくり)の重要性・必要性について説明があった。

2.医療危険予知トレーニングの概論
 1999年の横浜市立大患者誤認事故や京都大学病院のエタノール事故は、記憶に残っている方も多いのではないだろうか。
重大事故の共通点として、次の3つがあげられる。
・2つ存在するものの取り違え
・通常業務が人の確認に依存している組織文化
・ヒューマンエラーの発生(人には誤まり易いパターンが存在する)

KYT(危険予知トレーニング)の目指すもの・効用
 ・「知っている」ものを「出来る」ものにする
 ・危険への感受性を鋭くする
 ・要所要所で集中力を高くする
 ・安全推進へのやる気、実践への意欲を高める
 ・問題解決能力を向上させる
 ・チームワークを促進し、職場の改善、安全風土作り



KYK(危険予知活動)を実践するうえで大切な考え方

 3つの原則(ゼロの原則、先取りの原則、参加の原則)を軸に「患者も医療者も一人ひとりが大切な存在であり、事故に遭わせたくない、遭わせはしない」ということを実践していくことである。

 ゼロの原則: リスク(危険)・クライシス(危機)低減の原則
  単に事故がゼロというだけでなく、臨床の現場に潜在している危険に注目し
対応(発見・把握・解決)していくにより、事故・インシデントなどがゼロへ向かう
というプロセスの重要性

先取りの原則
ハインリッヒの法則やバードの研究にあるように一つの重大事故の陰には多くの軽微な
事故やインシデント、ヒヤリハットが存在する。この小さな事故・ヒヤリハットの
段階で対策を講じ、重大な事故が起こる前に安全を先取りするという考え方である。

全員参加の原則
組織に属している人が役職に関係なく、全員が安全衛生推進に参加することを
原則とする。安全衛生は、トップがリーダーシップを発揮して実施する「安全管理」
と、現場で働く人々の「前向きで自主的な活動」の双方で実施してこそ、安全な
職場環境づくりに寄与するとしている。「安全管理」と「職場の自主活動」は
車の両輪のようなものである。


3.指差し呼称、イラストや動画によるKYT、グループワーク
午後からは、講師が実際に警察病院でおこなっているKYTの状況などをうかがいながら、
指差し呼称の実践やイラストや動画を見て危険を指摘する訓練をグループ単位で実施体験する場をもった。気付いた潜在的な危険因子を出し合い、その改善策をグループで討議することで自分の危険に対する感受性が高まっていくのを実感できた。また、グループメンバーの自分とは異なった視点や観点を聞くことができて参考になった。



この研修を受けての感想

 当院では、急性期病棟で勤務の時から引き続き開放病棟でも安全委員をさせていただいています。昨年は、当病棟から安全委員会に提出したレポート(ヒヤリハットを含む)が120件あまり、今年度はすでに80件に達しようとしています。事故に至らない軽微なものでも報告書が上がることは良い傾向ですが、まだまだ、報告できていないヒヤリハットもかなり存在しているように思います。この研修で潜在的な危険を予知することの大切さ、そして職場の中でその対策を全員で考え組織として意識を高めていくことが重要であると再認識した次第です。特に「指差し呼称」は以前、扉の開閉施錠時に奨励されたこともありましたが、今は実施している人は少ないように感じます。
目で見て、声に出して、指差して…、五感を最大限に使って確認する「指差し呼称」は、なかなか無くならない施錠忘れに効果的ではないかと思いました。まず、研修を受けた私自身から実践し、病棟のメンバーに広げて行ければと感じました。
 また、グループワークの中で、様々な場面に潜在する危険因子を出し合い検討する作業を行いましたが、このようなことが病棟のメンバーとできれば理想的だと感じました。申し送り後の短い時間を利用して日常の業務の中に潜むリスクを摘み取れればという思いを新たにしました。現在、安全委員会に提出したレポートをコピーして病棟スタッフ全員が閲覧できるようにしています。しかし、もう一歩進んでこの貴重なデータを分類集約し、何か危険因子のポイントや傾向を提示でき、対策につなげることができないかと日頃感じています。限られた業務時間のなかでそれをまとめる事は難しいですが少しずつでも進められるよう努めたいと思います。



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この記事へのコメント

2011年10月23日 08:24
インシデントレポートやアクシデントレポートは単に上司への報告書だけで無く、それを各スタッフにも公開することでその経験を共有し同じミスを防ぐ効果もありますね。
指差し呼称は、昔から鉄道にも取り入れられ確実な動作・確認を実施するのに確実な方法のようですね。
2011年10月23日 10:13
私とこの怪社だと、KY活動とか言うのありましたわ。結局一緒か、危険予知ですね。

皮肉ってとんかつ屋活動とかよく言いましたw
気ままさんへ (GAKU)
2011年10月23日 12:40
気ままさん、コメント有り難うございます。
レポートを公開すると情報が共有できて同じ間違いをしないよう気を付けることができます。
指差し呼称、最初はなんとなく恥ずかしいという気持ちがあるのですが、みんながやり出すとそんな思いもなくなって、インシデント減少に効果が大きいと思います。
 鉄道では、しばしば目にする光景ですね。
としおちゃんへ (GAKU)
2011年10月23日 12:57
としおちゃん、コメント有り難うございます。
としおちゃんの怪社のKY活動(KYK)、まさにそれに当たるものだと思います。もともとこの種の安全管理は、工場の品質管理・小集団活動が起源で、昭和49年ごろ住友金属工業で危険予知トレーニングが開発されました。その後、昭和57年ごろ「新KYT」として国鉄で実施されていた指差し呼称、指差し唱和を組み込んだ形で発展してきました。
平成17年、中央労働災害防止協会の「医療用KYT」研修が行われるようになり、医療事故防止対策として医療界での開発が進み広がりを見せているというわけです。
よんちゃま!
2011年10月24日 09:39
「危険」ってことではないですけど・・・パーマの薬液 「1液」と「2液」を 間違えると・・・パーマがまったくかかりません!(過去に・・・実例が・・・・ちなみにやったのは 私ではありませんよ!)そのため 薬液が入っている容器の「ふた(キャップ)」のところに 大きく「1」「2」・・・と 書くようにしてます!でも
「間違う事はないだろう」・・・と 油断すると・・・私がやってしまいそう・・・ってこともあるんですがね!(ボケてきてますから!笑) ちなみに 見習いの頃は 容器に入れてから 確認のために「匂い」での確認もしてましたね!(明らかに匂いが 違うので・・・)でも「指差し」までは やりませんでしたが!?
よんちゃまへ (GAKU)
2011年10月24日 18:49
よんちゃま、コメント有り難うございます。
パーマ液も強いにおいがして、刺激が強そうですね。パーマかからないと…平謝りですね。
でも、点滴の薬剤間違いは…、命にかかわる場合もあるから…、指差し呼称くらいしないといけないかもしれないです。
2011年10月24日 19:23
私は職場で安全係をさせられていて、インシデントレポートの集計分析を毎月実施し病棟会で発表しています。なかには"どーして!?"と思う内容のインシデントもあり仲間内では「罠にハマってしまったね・・」と、慰めあったりしています。インシデントの内容は様々で、その防ぎ方も様々でしょうが、やはり指さし呼称は何かにつけてやったほうがいいと思いますね。。薬剤間違いとか患者取り違えとか重大なミスにつながるようなものは特に。私が一番悩ましいと考えるのは"思い違いによるミス"だと思います。どうやったら防げるか・・。考え込みますね。。
GAKU
2011年10月24日 23:16
さくらこさん、コメント有り難うございます。
レポートを集計分析、やらないといけないですが…、私は手がまわっていません。
 人間の脳というものは、ほんとに自己中心的な自分に都合のよい解釈をするようにできています。ダブルチェックも一人目の人がしっかりしているから大丈夫というフィルターがかかっていると間違いをマジマジと目前にしているにも関わらず全く見えていないことが多々あります。そして、人のやった作業を常に疑いの目をもって真剣にチェックしていくことはかなりのエネルギーを費やすので…、人間常に易きに流れる生き物ですから…、ミスを見逃してフェールセーフ機能が働かないことって多いですよね。 さくらこさんのおっしゃる通り、「思い違い」「思い込み」によるミス、ほんとに悩ましいです。
2011年10月26日 17:23
みつばさんのブログで先日見た「ヒヤリハット」をここでも読むことに。

「家事」をしてるときの事故も多いらしい。考えると色んなところに危険が潜んでいます。
でも一回一回指差し確認できないですよね~。
なんて冗談にしちゃいけないですけど。
黎明さんへ (GAKU)
2011年10月26日 22:03
黎明さん、コメント有り難うございます。
日常生活の中にも危険はいっぱいありますね。
食器洗いオケの中に刃物が入っているとか…、
皿を洗おうと皿を採ろうして手を切っちゃうとか…。これは、食器洗いをしたことない男の人や子供の仕業。その作業をする人の立場になって考えること、経験が欠けていると事故が起こりやすいです。
 何もかも指差し呼称してたら、おかしいね。
重要度、優先度などに応じて要所要所という事でしょうかね
開運skyliner
2011年10月28日 19:59
GAKUさんは病院にお勤めですよね!病院は患者の命を守る現場だけにミスは絶対に許されない訳だからKY活動は必修でしょう。薬の入れ間違いなんて持っての他で、対策やら危険予知は他の現場以上に厳しい事が何となく伝わってきます。私は工場勤務でKY活動のレポートは毎月4件の提出がノルマになっていますが、忙しい事にかまげてレポート提出だけに終わってしまっているのが現状で、いざ災害が発生したならば毎月の全体朝礼で工場長から説教を受けるだけでなく災害の内容によってはあの道具を使ってはダメだなんて来るのです。今、私の勤務先ではカッター作業は怪我した人が居たからカッターを使うのが禁止され、代わりにペーパーナイフを使えなんて言われているのですが、はっきり言って無茶苦茶です。だってカッターは作業服のポケットに仕舞えますがナイフは刃が剥き出しになっているのでポケットに入れると余計に危険です。上も上で現場を余り知ってない事も多く、これには流石に揉めているのが現状です。
それでも怪我だけはしない様に気を付けなければなりません。私も慌てる性格なので自分に言い聞かせる様に…
開運skylinerさんへ (GAKU)
2011年10月28日 22:06
開運skylinerさん、コメントありがとうございます。工場の現場で頑張っておられるのですね。わたしも工学系の大学出身で生産ラインの品質管理、小集団活動などについてずいぶんと勉強しましたし、Pan…のシステム部門で生産システムにかかわっていましたので状況は手に取るようにわかります。生産ラインでは単調な組み付け作業でヒューマンエラーが起こりやすい状況にあったりしますよね。
 いろいろあって医療・看護の道を歩いていますが、仕事にヒューマンエラーはつきものですね。それをどのように防止しゼロに近づけてゆくか、永遠の課題であり努めてゆかねばなりません。私の職場は、救急やICUではないので緊迫した状況は少ないですが、安全への確認はことあるごとに意識していかないといけません。
事故、インシデント撲滅にむけて頑張りましょう。

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