統合失調症は遺伝するのか

 統合失調症、この疾患は案外身近な疾患で、100人に一人くらいの割合でかかるという統計データがあります。

病気の原因は、脳内で神経の伝達物質であるドーパミンの分泌バランスが崩れていることが関係していると考えられています。

以前は精神分裂病と呼ばれていました。
以前の病名は、病気や症状を適切に表現できていないために病名から受ける印象は悪く、誤解や偏見を生じる原因になっていました。

 病棟で勤務していて面会の家族などを見ていると、中には病気っぽい人も時折、見かけることがあります。
統合失調症は、「遺伝しない」ということになっているんだけど・・・、「やっぱり遺伝するのだろうか」とも思える。

画像


 でも、院内の向精神病薬の勉強会に出て、その事にふれる部分があったので書いてみたいと思います。
今回講師をしていただいた当院薬局長の受け売りになってしまいますがご容赦下さい。

まず、端的に確率という観点からみると・・・

ある統合失調症の患者様に同胞(兄弟、姉妹など)がいるとします。
 一卵性双生児の兄弟が統合失調症である割合は・・・、60~70%
二卵性では、 約20%

単なる同胞では、10%

兄弟でこれくらいの確率、親子関係ならその割合は、さらに低くなるでしょう。

最新の遺伝子解析でも何番目のどの遺伝子に異常があれば、統合失調症を発症するというものは発見されていないそうです。

しかし、統合失調症発症には、遺伝的な要因が関係しているといわれています。

統合失調症に関係している大きな2つの要因として
  1つは、遺伝的要因
  2つ目は、環境的な要因
があるそうです。
 この二つの要因の度合いが絡み合って発症に至るという研究結果があるそうです。

単純に「育て方」、「環境」、「遺伝」の問題だけではなく、学校生活、会社でのストレス、その他、社会生活から生じるストレスなども関係しているということです。

遺伝的要因を  マークで表します。
環境的な要因を  マークで表します。

マーク6個で発症 

Aさんの場合
      セーフ
遺伝的要因もあるが、社会から受ける環境要因もそこそこ、発症せずに遺伝的な要因にも気づかずに生涯を過ごす。



Bさんの場合
 発症
 社会的なストレスが大きく発症したパターン



Cさんの場合
  発症
お金持ちで両親も優しく何不自由ないCさんですが、不幸にして遺伝的要因が大きく発症。


Dさんの場合
     セーフ



Eさんの場合
    発症
遺伝的な要因は少ないが、幼少時、ひどい虐待や育児放棄、いじめ等にあったパターン、こんなに酷い環境なら病気になって分からなくなった方がこの子にとって幸せではないかと同情できるほどの事例があるそうです。

といった具合です。 単に「遺伝」による発症とは、言えないというのが結論でしょう。



統合失調症は・・・、

治療によってドーパミンのバランスを整えることで症状が良くなり、通常の人と同じように社会生活が可能な疾患です。

 そのためには・・・
 症状が出ないように必要なお薬を継続し、十分な休息やリハビリテーションなどの治療をおこないます。


※ この記事は、あくまでも一個人の教養の範疇で一般的なものです。疾病への対処については医師や専門家の指示を仰いでいただき、記事の記載内容は参考としてご認識下さい。

"統合失調症は遺伝するのか" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント

QRコード