「トリアージ」って何?  (災害看護の研修にて)

災害看護という研修に行ってきました。

災害の定義、「地域に短時間で発生した生態系の破壊であり、被災地域の人的、物的資源では対応が困難とされる」とされています。
種類は地震、火山噴火、台風などの自然災害による広域的なものと飛行機や列車などによる大規模な交通事故(局地的)が挙げられます。

特に地震災害では、25年以内に東南海沖地震が確実に起こるとされています。

こわい

私達が日常行っている医療や看護は、一人の患者に対して充実した人材と医療器材が揃った中でのものです。しかし、災害時における医療・看護を考えるとき、その概念は一変し、限られた人員と医療資源で対応を余儀なくされる。

つまり、「1人を助けるために10人を死なせてはならない」という状況になります。

また、病院機能の低下は被災だけでなく、患者の殺到によっても発生し、多数の傷病者に対してトリアージやゾーニングは不可欠となります。

トリアージの目的は、
(1)一人でも多くの人を救うこと
(2)患者の状態を適切に判断し、適切な場所へ、時間内にふるいわけ、選別することである。

これによって傷病者を重症度、緊急度に応じてより分け、治療、輸送、手術を受ける優先順位を決める。

トリアージによる優先順位は、次の4段階です。

(1) 最優先治療群 (赤)
(2) 待機的治療群 (黄)
(3) 保留群    (緑)
(4) 死亡群    (黒)

画像


この研修の演習では、いくつかの症例を次々と提示し、30秒以内にSTART方式によるトリアージで優先順位を決定する練習をおこないました。また、最後に提示された症例では事前に配布されたトリアージタッグに判断基準などを実際に書き込みました。

START式トリアージでは、決められたアルゴリズムがあり、少し訓練すればすぐに習熟できて比較的簡単に判断が可能である。

しかし、実際には非常に大きなストレスを受ける役割であるという認識が必要です。

 例えば、運ばれてきて、まだ身体に温かみが残っている人でも自発呼吸がなければ、家族が救命を懇願する中、黒タッグをつけなければならないという苦渋の決断をしなければなりません。
しかも、次々と判断を下さなければなりません・・・。


この研修では、他にもいろいろな事柄がありましたが、
万が一の災害に備えて
この研修で学んだ事や感じたことを少しでも職場の病院で反映できるように努めたいと思います。

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この記事へのコメント

2008年10月18日 13:09
この役割、重たいね。
やり方によっては、人殺し呼ばわりされたりとかありそうだね。日本人は、自己中が多いですから。実際の災害現場だと修羅場だね。
2008年10月18日 14:19
JR宝塚の脱線事故や阪神淡路大震災などでトリアージを行った人は、自責の念から職を退いた人もいます。訓練でトリアージ役の医者でさえ、家族役の人から罵声され、トリアージ役だけは止めてほしいというくらいです。
災害や事故で自分の最愛の人に黒タッグを付けられたら、「自分の命に代えてでも…」と思うでしょうね。
2008年10月18日 21:52
そうですね、災害現場に投入されるDMATの役割の一つにトリアージがありますが、トリアージ役のDrは特にストレスがかかるみたいですね。
また、先日起きた秋葉原の事件ではアンダートリアージされた例をTVで取り上げられていたようですし・・・
黒タッグをつけるのには相当の覚悟が必要なんですね。
トリアージの概念を一般の人にも理解してもらう必要がありますね。
2008年10月19日 11:14
この研修の講師は、大阪DMATの方でした。
赤や黄タッグの傷病者は、二次、三次とトリアージがあるけれど、黒タッグは後がないですからね。
救助・救護を行うスタッフの心のケアが見落とされがちだがとても大切であると講師の方も言っておられました。
りー
2010年12月05日 10:59
災害看護のマニュアルを作れと指令がありました。何から、手をつけてよいかわかりません。どなたか教えてくださいな
2010年12月05日 11:28
りーさん、訪問、コメント有り難うございます。災害時の院内マニュアルのことでしょうか。マニュアルというよりは、まずガイドライン的なものを目指すほうが良いと思います。
そして、災害によって病院自体が影響を受けているのかどうかも対応が全然違います。自然災害で病院自体が被災している場合、あるいは鉄道事故などで多数の救命対象患者が搬送されてくる場合の受け入れ態勢など…、まず場合分けが必要でしょう。コメントの中に災害看護とあるように看護部主導の印象ですが、明らかに院内の全部門が協力して取り掛からなければ中途半端になります。たとえば、薬剤部は必要な薬を備蓄したり外部からの供給先との提携が必要でしょうし、看護師は薬剤の医師も看護師もその供給があってこそ対応できるという具合で、すべての部署との連携が不可欠です。
とりあえず、始めるとすれば、地震を想定した防災訓練やトリアージの訓練・勉強会などを企画してその反省点を踏まえながら記録を残し、その記録の積み重ねをガイドラインとして積み上げていくというのはどうでしょうか。
 とりあえず、個人の想いでマニュアルを作り上げたとしても各部署に徹底してもらえるかというのも大きな問題ですね。
まずは、上司がどのような場合を想定してマニュアルを作れといっているのかわかりませんが…、災害の場合分けから始めるとよいのではないでしょうか。

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