CPCRを学ぼう! 〔院内CPCR普及班 始動〕

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この春より、私の勤務する病院で心肺蘇生法を普及するためのチームが発足しました。

心肺蘇生法は、一般的にCPRと呼ばれています。
人間の脳組織は血流停止から4~6分で不可逆的な変性が始まり、血流が再開しても元の状態に戻らないと言われています。
心肺停止から2分以内に蘇生法が実施された場合の救命率は90%ですが…、
4分では50%5分では25%の救命率…猛烈なスピードで救命率が低下していきます。脳細胞が如何に低酸素状態に弱いかお解かりいただけると思います。この大切な時間を経過後、例え心肺機能が再開しても脳に何らかの障害を残すことが多いということでしょう。

職場では、脳を蘇生するという意味合いを込めてCPCR(心肺脳蘇生法)と呼んでいます。医師や看護師、事務、OT、栄養課などの職種に関係なく、その場にいる人が蘇生を始めなければならないというところに普及の意義があります。医療従事者でなくとも、一般の人で一生のうちに平均3回は心肺停止状態の人に遭遇するそうです。もしかしたら、そのうち何回かは、かけがえのない大切な家族かもしれません。
そのときに目の前にいる人を救うのは…、救急車も医者ももちろん最善を尽くしますが…、
命の明暗を分けるのは、そこにいるあなたなのです。是非、救命講習を受講しましょう。

 最新のガイドラインでは、胸部圧迫法と人口呼吸の比率が30:2に変更(以前は15:2)されています。今まで心臓マッサージという呼び方も胸部圧迫法とされています。
圧迫部位の決め方も「両乳頭を結ぶ線の中央部」と以前に比べ簡略化されました。
現在の蘇生法では、連続した胸部圧迫による血流の確保が非常に重要視されています。
以前の15回圧迫では頭部の血管の血流が乗ってきたころに人工呼吸で血流が弱まるため連続した胸部圧迫が必要ということです。また、せっかくAEDやカウンターショックで心臓が拍動リズムを取り戻しても十分な血流がなく低酸素状態ではいけないということもあるようです。

 忘れもしない4月19日の勤務後、CPCR普及班のメンバーが発足第1回目の講習会の打合せ中に全館放送で緊急コール、心肺停止状態の患者様を医師、病棟スタッフ、CPCR普及班メンバーの連携で無事蘇生。私も胸部圧迫を途中で医師と交代し実践してしまいました。その患者様は、トイレで自分のスェットの腰紐で縊首を図り、多分、数分間宙吊りになったところを巡回中のヘルパーに発見されたとのことでした。幸い頚椎の損傷もなく、何の後遺症もなく数日後にはいつも通り過ごされているとの報告をうけホッとしました。

※ CPCR : Cardio-pulmonary Cerebral Resuscitation

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この記事へのコメント

2007年05月09日 22:32
”一般市民による応急手当”が当たり前の世の中になればいいと思います。
日本では今でも「動かすな神話」が根深く浸透しているようで、救急車が到着するまでの貴重な時間を何もしないまま放っておくという余りにもお粗末な実態があるようですね。
今までは、赤十字や消防など公の団体が応急手当の啓蒙普及にあたってきましたが、これからは自分たち医療職に携わる者も応急手当の方法を自分たちの周りの人から、教えられるところから、伝えていく必要があると思いました。
本当に、こればかり(心肺停止)は・・・・周りの人がすぐにCPRやらないと、救命士の医療行為がどんなに拡大されても、病院で最先端の治療がおこなわれたとしても救命できる確率は確実に下がるのですから・・・。
「救急医療は一般市民の応急手当から」という認識が一般の人たちにも広がればと思います。
2007年05月09日 23:27
気ままさん、コメントありがとうございます。
いざ、というときに誰もがCPRの知識と少しの勇気を持っていれば、救われる命がたくさんあるのではないかと思います。
 最近、心肺蘇生法を義務教育課程の体育の授業でやればいいのではないか、なんて思ったりします。
 今の自分は、幸いにもより多くの人に応急処置を普及できる機会を職場から与えていただいています。感謝しなければなりません。
のんちゃん
2007年05月20日 00:05
命の現場で勤務されている方から、一般の市民に心肺蘇生法を伝えるという事は、まさに倒れている方の大切な命が途切れない様に、復活させる事なのですね。この初期の段階での対処こが、その方の人生を左右させる重要さを持っている事を、市民に伝授していく活動に御期待します
2007年05月20日 02:06
現在は、勤務している病院内での普及活動をおこなっています。事務や検査部門、栄養士の方にも参加していただいています。間接的ではありますが、市民の方に伝えることにもなるかと思います。将来的には地域の自治会の方々への講習も念頭にあります。
noice
2007年05月27日 10:23
こんにちはGAKUさん。
病院にいても、救命の経験をしている人は実際に意外と少ないものです。だから、院内でこうしたチームの発足はとても意味のあることでと思います。うちの病院でもこういった取り組みに熱心な病棟は、学習会を企画しています。
看護助手さんも参加していつでも誰があたっても大丈夫のようにやっています。
 これが、もっと地域にでていくとさらに地域活動となってよいでしょうね。
2007年05月28日 00:20
noiceさん、コメントありがとうございます。
現在、月2回ペースで講習会を開いています。看護師と言えども頭でわかっていても講習の時には体が動かないものです。OTや医事課、栄養課のコメディカルを巻き込んで開催中です。二次救命もやりたいが…、まず、院内のレベル底上げが目標です。当院では喉詰め事故も多いので、CPCRと並行して異物除去も7月頃から入れていこうと計画しています。
 この講習ではAEDを併用した形で指導していますが…、パッドのコストが3万円。院内でモニター、カウンターショック、医師の3つ揃うのを待つか、手っ取り早くAEDを使うか…。そのときの状況にもよりますが、個人的には5サイクルCPCRをやっている間に前者の3点が揃わなければ、AEDの院内適用かな、と思っています。
のんちゃん
2007年06月05日 00:07
とても素晴らしいお仕事をされているのですね!!大人達は勿論、是非子供達にも、講習等の機会を設けて頂けたらと思います。知っていれば、蘇生をしなければいけない場で、大切な命が助かる可能性があるんですもの。学校や地域の集い等で、ご指導して頂けたらと思います(*^o^*)
2007年06月05日 13:06
コメントありがとうございます。
機会があれば、職場内の講習ですが、子供を連れて行って見学させようかなぁ、なんて考えています。

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